使い方

MQL5とは何か？

MQL5（MetaQuotes Language 5）は、MetaTrader 5（MT5）プラットフォーム上で動作する自動売買ロボット（EA）やカスタムインジケーター、スクリプトなどを開発するための高機能なプログラミング言語です。C++に似た構文を持ち、オブジェクト指向プログラミングに対応しており、金融取引の自動化や複雑な戦略の実装に適しています。

MQL5の主な特徴

  • エキスパートアドバイザー（EA）: 市場データを分析し、設定されたルールに基づいて自動で取引を実行するプログラム。
  • カスタムインジケーター: デフォルトのテクニカル指標だけでは満足できない場合、独自の指標を作成可能。
  • スクリプト: 特定のタスクを一度だけ実行するプログラム。例えば、大量の注文を一括削除する際などに便利。
  • サービスプログラム: チャートに依存せず、バックグラウンドで継続的に動作するプログラム。

MetaEditorの使用方法

MQL5プログラムの作成には、MT5に付属するMetaEditorを使用します。MetaEditorは、コードの作成、編集、デバッグを効率的に行うための統合開発環境（IDE）です。

  • 起動方法: MT5の上部メニューから「ツール」→「MetaQuotes Language Editor」を選択、またはF4キーを押します。
  • 新規ファイルの作成: MetaEditorが開いたら、左上の「新規作成」をクリックし、作成したいプログラムの種類（EA、インジケーター、スクリプトなど）を選択します。
  • コードの編集: 自動生成されたテンプレートに必要なロジックを追加・編集します。
  • コンパイル: 編集が完了したら、F7キーを押してコンパイルし、エラーがないか確認します。

MQL5プログラムの基本構造

MQL5プログラムは、以下の3つの主要なセクションで構成されています。

  • OnInit(): プログラムの初期化時に実行される処理。
  • OnTick(): 新しいティックデータを受信するたびに実行されるメインの処理。
  • OnDeinit(): プログラムの終了時に実行される後片付けの処理。

取引操作の実装

MQL5を使用すると、売買注文の発注や修正、ポジション管理を簡単に行えます。CTradeクラスを活用することで、取引ロジックを簡略化し、複雑な操作もスムーズに実装できます。

  • 新規注文の発注: CTradeクラスのBuy()やSell()メソッドを使用して、指定した価格やボリュームで注文を発注します。
  • 注文の修正: OrderModify()関数を使用して、既存の注文の価格や有効期限などを変更します。
  • ポジションの決済: OrderClose()関数を使用して、既存のポジションを決済します。

バックテストと最適化

MetaTrader 5には、開発したプログラムの性能を検証するための戦略テスターが搭載されています。このツールを使用することで、以下の作業を効率的に行うことができます。

  • バックテスト: 過去の市場データを基にプログラムの動作を検証します。
  • フォワードテスト: 現在の市場環境での実際の動作をシミュレートします。
  • パラメーターの最適化: 取引ロジックの効率性を向上させるためのパラメーター調整を行います。

学習リソースとサポート

MQL5を習得するためのリソースとして、公式のドキュメントやオンラインコミュニティを活用しましょう。初心者向けのチュートリアルから上級者向けのガイドまで、幅広い情報が提供されています。

  • 公式ドキュメント: MQL5の構文や関数、クラスなどの詳細な情報が記載されています。
  • オンラインコミュニティ: 他のユーザーや開発者と情報交換ができるフォーラムやチャットがあります。
  • チュートリアル: ステップバイステップで学べるガイドや動画が多数公開されています。